拙作の個展や、グループ展で頂いた紹介文を掲載します。ご評価頂きありがとうございました。 永瀬宗彦の作品に初めて出会ったのは、1年前の二人展の時だった。紙の上に紙を重ねて、詩や文章を書き、筆圧でヘコんだ上にパステルを塗るといった手法を使って深い思想を塗り込めた静謐な作品だった。今回の個展用の作品写真を観て驚いた。今までの静謐な作品が、弾けたように動的なエネルギーを込めた作品になっている。
彼はこのような動的な部分を持った作品を並行して制作していて、永瀬の幅の広い精神を示している。サブタイトルのジャンボリーは、野営大会の意味で、彼の様々な傾向の作品がギャラリーに会する意味合いがある。永瀬の新作展を、是非多くの方々に、観て頂きたい。
2005年10月 拙游
■拙游様 個展葉書の紹介文-2010年 ■拙游様 山脇ギャラリーにおけるグループ展「沈黙の森」の紹介文-2011年 しかし、その流れを汲んでいるはずの現代日本美術には、何の感動も覚えず、心が微動だにしないのだ。私は、形態を問題にしているのではなく、その精神のあり様の問題だと想っている。 精神という言葉が、死語になりつつある現代においてこそ、私は、精神こそが、時空を超えて永遠の生命を有すると信じている。精神の感じられない美術は無でしかない。 個人が凝縮して高い質に高められた美術には、精神・魂が宿るのではないか。私は多くの美術作品を求めているのではなく、ここまで高められた、本当の美術品に出合いたいのだ。 作家の年齢とか、性別とかや、形態の抽象や具象とかに関係なく、又、その技法 画材に関係なく、真に心を揺さぶる高められた質の作品に出合いたい。今回「沈黙の森」に集まった作家達は、この精神を持ち、高められた質の作品を制作すると信じられる作家達だ。今まで出会った事の無い作家達が、市ヶ谷の山脇ギャラリーに一堂に会して沈黙の森は開かれる。今回の高い精神を目射した「沈黙の森」の中に分け入り、静に耳を澄ませて、作品自身の声を、聴きとっていただきたい。精神の問題は、制作する作家ではなく、読み取る観客の皆様の側に課せられた問題でもあるからだ。 2011年6月1日 拙游 |
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2013/09/10 Art works in the "Ars longa vita brevis" created by Nagase Munehiko. All rights reserved. |